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目でみることばblog

ことば探検プロジェクト

「推敲」の語源

語源

ちょっと面白い語源を知ったので、メモがてらに記しておきます。

「推敲」という言葉があります。文章を良くしようと何度も練り直すことですが、これにはこんな語源があるのだとか。

科挙官吏の登用試験)を受けるためにやってきた賈島(かとう)という人物が、ロバの上で「僧は推す月下の門」という一句を作ったが、「推す」は「敲く」(たたく)のほうがいいのではと、迷ってしまう。この悩みに夢中になった賈島は、韓愈という役人の行列に突っ込んでしまうが、優れた名文家であり、漢詩の大家でもあった韓愈は、賈島の話を聞き「それは『敲く』の方がいいだろう、月下に音を響かせる風情があって良い」と言って、二人は詩を論じ合った。》

なるほど。普段、当たり前のように使っていますが、なんとなく「矛盾」に似た語源を持つ言葉だったとは、少し意外でした。

「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2013」

お知らせ

昨日、発表になりました「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2013」にて、『目でみることば』を3位に選んでいただきました。

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2010年から始まったこのイチオシ本、今回は埼玉県の高校司書93名が投票し、237タイトルの中から選ばれたということです。

文芸作品が並ぶなかで選んでいただき本当に光栄で嬉しいです。なお、この「イチオシ本」のフェアが一カ月ほど、埼玉県の書店で開催されるそうなので、近隣の方、機会があれば覗いてみてください。フェアの詳細などは、こちらの「埼玉県高校図書館フェスティバル」のサイトをご覧くださいませ。

また選んでもらえるように頑張ります^^

 

ボラが大量発生

『目でみることば』のパート1で「とどのつまり」ということばを紹介しました。

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本から引用すると、由来に関してこんな事情があります。

出世魚の「ボラ」は、オボコ→スバシリ→イ ナ→ボラなどと、成長するにつれてその名を 変え、最後には「トド」となる。それゆえ「と どのつまり」で「結局」「いきつくところ」と いう意味を持つようになった。ボラは、川や 沿岸などで身近なところを泳ぐため昔から馴 染み深い魚であり、あまり珍重されることも なかったため、「最終的には平凡な結果、また は思わしくない結果に終わった場合」など、 あまり良い意味で用いられる言葉ではない》

さて僕は「ボラは馴染み深い魚で珍重されることがなかった」と、こう書いていたわけですが、その実態を見たことがありませんでした。で、気になっていたのですが、先日ネットニュースで「ボラが大量発生」という記事があり、これの後追いとして「デイリーポータルZ」の西村さんが、素晴らしい取材をしてこられた記事があったのでご紹介しておきます。

「大洗町でボラが大量発生している」

記事の中では、ちゃんと「とどのつまり」について言及がありますね。それにしても本当に網を使うだけて掬い取れることに驚きました。

『毎日新聞』が紹介してくれました

お知らせ

前作に引き続き『毎日新聞』さんが紹介してくだいました。

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ありがとうございます! やはり「銀ブラ」の意外性は喜ばれるようで、満足です^^

あと、遅くなりました『散歩の達人』『SPA!』でも紹介いただきました。ありがとうございます!

東京堂の写真展おわりました

お知らせ

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

本年も『目でみることば』よろしくお願いします。

さて、昨年末から、東京堂書店さんの神保町店と東中野店で開催させていただいていた写真展が無事終わりました。

 

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写真は、撤収作業中の山出カメラマン。この写真展ではパネル作りなどで山出カメラマンが大活躍。いろんなことが器用すぎる! お疲れさまでした!

また、東京堂のスタッフの方には大変お世話になりまして、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

この写真展の効果もあり、本もかなり売れたようで嬉しく思っております。

なお、こういった写真展など、各所で開催可能ですので、書店さんやカフェなどお声掛けいただければ嬉しいです。

もっとも苦労したのは「しっぺ返し」

取材の話

今回『目でみることば2』に収録したことばの中で、もっともその写真を撮るのに苦労したのは「しっぺ返し」でした。

《「しっぺ」は「竹篦(しっぺい)」の転で禅宗で用いる竹製の細長い棒のこと。座禅の際、師が雑念で姿勢の乱れた弟子を戒めて打つのに用いる》

しっぺの語源については、多くの書物でこのように記されていて、とにかく竹篦というものを見つければいいな、と思い、かなりの数のお寺さんに「竹篦ありませんか?」と尋ねていったのです。しかし、どこにもありません。実はパート1のときも探していたのですが、結局見つけられず、持ち越ししていたのです。見つけるきっかけになったのは、あるご親切なお寺の方からいただいたメールでした。

《竹篦についてですが、当方には正式なものを所有しておらず、坐禅中に使っているのは「警策(けいさく)」呼ばれる別の種類のものものです。そもそも、竹篦は師家(しけ)が雲水(修行者)を教化するために使うもので、坐禅会では使われません。曹洞宗の寺院では法戦式で使われるかもしれませんので、そちらでご確認頂いた方が正しい情報が
得られるのではないかと思います。》

そうなんです。竹篦というのは、座禅のときに使う竹の棒とばかり思っていたのですが、これは「警策(「けいさく」あるいは「きょうさく」)」であって、竹篦ではないのです。僕も世の中のいくつかの本も勘違いをしていて、それで禅宗のお寺を中心に探していたのですが、それが間違いだった。こう指摘していただき曹洞宗のお寺で探して、今回、取材に応じてくださった新宿の長光寺さんに行き着くことができたのでした。

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これがようやく巡り会えた「しっぺ返し」の語源の竹篦。本当にここに至るまで長かったので、見せてもらったときには本当に感動しました。で、そういえばあの本は……と『広辞苑』を見ると、ちゃんとこの写真通りのイラストが掲載されていて「おぉさすが!」と思ったのです。この本を作っていると『広辞苑』の素晴らしさに気付く機会が何かと多いのでした。

 

世の中の語源