目でみることばblog

ことば探検プロジェクト

「どうしてそんな言葉を使わなくちゃいけないの?」

週刊文春』の10月24日号で、伊集院静さんが「ことば」について、いいことを書いておられたので、メモしておきます。

《子供たちが間違った日本語を使っていると思えば、そのたびごとに注意することだ。〝鉄は熱いうちに打て〟と言うように、子供の時に覚えた言葉遣いは生涯忘れることはないものだ。「どうしてそんな言葉を使わなくちゃいけないの?」と子供が訊いたら「それはあなたが日本人である証しなの。今はわからなくても、大人になったら、その言葉遣いを身につけておいて良かったという時が必ず来ますから」と答えてやるんだね。

母国語というものは、その国の精神的支柱の根源にあるものだから。人間としての尊厳、誇り、慈愛といったものはすべてきちんとした言葉の中から生まれ、成長していくものだから。》

言葉というのは、単なる意思疎通のツールではないと、よく思う。言葉がないと、思考できない。言葉がないと概念がない。言葉はいろんなものの源なのです。